オーグメンテッド・リアリティとバーチャルリアリティーはファッション業界をどのように変えるか

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近年、テクノロジーが進歩するにつれて、オーグメンテッド・リアリティとバーチャルリアリティーが様々な業界で活用されるようになりました。それはファッション業界についても同じであり、様々な場面でファッション業界に変化が起こっています。そこで本記事では、ファッション業界が今後、オーグメンテッド・リアリティとバーチャルリアリティーの影響で、どのように変化していくのかを紹介していきます。

バーチャルフィッティングサービス

バーチャルフィッティングサービスとは、オーグメンテッド・リアリティを利用した試着サービスのことです。

このサービスは、サイネージ(電光掲示板)の正面に立つと、それぞれに合ったファッションを提案してくれるというものです。また、顔機能認証機能も付いているため、体型だけではなく年齢や髪型に合わせてコーディネートをしてくれるという点もポイントです。

このサービスを利用することで試着時間の短縮することができるだけではなく、店舗側も販売促進につながります。また、バーチャルフィッティングサービスはサイネージだけではなく、スマートフォンでも利用することができます。そのため、今後ますます広まっていくことが期待されています。

仮想ショッピング

株式会社パルコと株式会社VOYAGE GROUPの共同プロジェクトに、「VR PARCO」とVRショッピングがあります。これは、スマートフォンやパソコンを利用することによって360度店内を見てバーチャル上でショッピングができるというものです。Googleのストリートビュー機能を利用している感覚で、ショップ内を自由に見て回ることができます。そして、実際に気に入ったものがあれば、スマートフォン等から購入手続きをすることができます。

実際に商品を手に取るような臨場感はないですが、オンラインショッピングとは異なり商品をより現実味のある状態で見ることができます。このサービスがより浸透して行けば、実店舗に行くことなくショッピングを楽しむことができます。また、店舗側も在庫を抱えずに宣伝をすることができるので、場所代の節約や配送費を軽減させることができます。

ファッションショー

バーチャルリアリティーを活用すれば、ファッションショーに参加することが可能になります。例えば、パリコレクションやミラノコレクションなど世界的に知名度が高いものは、一般人だとなかなか参加することができません。しかし、これらのファッションショーをバーチャルで配信することで、スマートフォンやパソコンの画面を通じて、実際にファッションショーに参加しているような雰囲気を味わうことができます。

また、実際のファッションショーを活用しなくても、バーチャルモデルなどを活用すれば、ファッションショー自体を作り上げてしまうことも可能です。そうすれば、衣装代、モデル代、スタイリスト代などが一切かからないので、かなりの低価格でファッションショーを開催することができるようになります。つまり、一般の人もファッションショーに気軽に参加ができるようになるということです。

その他、海の中でのファッションショーなどのアイディアも企業では挙げられています。バーチャルであればファッションショーの開催場所は問わないので、もしかしたら今後私たちの想像を絶するようなファッションショーが開催されるかもしれません。

スーパーモデルのクローゼットを公開

以前、VOGUEはGoogleとコラボレーションし、バーチャルリアリティーを使用して、スーパーモデルのクローゼットを公開しました。

クローゼットを公開したのは、アメリカで人気のモデル、ケンダル・ジェンナー。映像にはジェンナー本人も登場し、思い入れのある服などを丁寧に説明してくれています。1室すべてを服で埋め尽くしたかのような大きなウォークインクローゼットを自由に見ることができるという、まさに女性にとっての夢のような体験が実現したのです。ただし、モデルのものとなると、実際に自分のファッションとは程遠いという声もおく、ただ楽しむだけで終わってしまうことが多いようです。

今後日本人読者モデルなど、より一般人に近い人のクローゼットが公開されるようになると、私物選びや収納の参考になるかもしれません。